きっと、救えるよね。。
その分、父だけではなく、母も、兄も、私も苦しいのは、同じでした。

だけど、一番苦しいのは、やはり、病と向き合っている父なんだと。

願うこと、傍にいて挙げることしかできなかったのです。

無力だと感じました。

だけど、私は、現実を受けとめようとしました。

まだ、父と少しでも会話できる間は。

先生との話が終わり。父の元へと戻る時。兄も同様していた。

父の病室の扉が、まるで鉛のように重たく感じた。

おとん。ごめん。遅くなった。

先生が、他の患者さんのこととかで忙しかったみたいで。待合室で待ってて。

なんかね。また、先生から説明あると思うけど。

血液の状態が不安定らしく、輸血が必要みたいなんよね。また、先生もお父さんに説明するってさ。

あまり会話すると疲れるだろうから、眠りたかったら、横になって安静にしてね。
一人が不安だったら、お母さんが泊まってくれるってさ。

夫婦で決めてくれたらいいよ。おとんも、おかんになら甘えられるだろうから。
周りに沢山人いると、疲れるだろうから、私はある程度したら帰るね。

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