きっと、救えるよね。。
夜になり、父はやはり呼吸だけで、今にも動かなくなってしまうかのように…。
病院へ止まりたかったけど、兄と母が見てくれるということになり。ベットも一つしかないから。

私も、無理をできなかったので、旦那も心配して明日の朝に病院に来ることになった。

そして、あくる日病院へ行きました。

父が入院して5日目の朝でした。

兄と母も交代でみてくれていました。

おはよう。お父さんの状態は?
母は、涙ながら、お父さん、すんとも、ふんとも言わないよ。ただ眠ってるだけ。でも、寝てるんじゃない。もう意識がないんやもん。
兄がいきなり言いました。
おとん。○○が来たで。
来てくれたで。

っと。その時、小さく呼吸をしていた父の胸が、ぐーっと、大きく上がったのです。父が兄の言葉に反応するかのように。

皆、驚きました。

意識があるの?体が生きようと反応しているの?

私が、病室に着き約5分後の事でした。

大きく上がった父の胸は、静かに止まったのです。

先生や看護師さんに見守られる中。

21年10月2日

午前 10時52分

享年 66歳

急性骨髄白血病再発の為

この世を、入院して経った5日で亡くなってしまいました。

9月の頭頃には、検査結果異常無しでした。

父もまさか、自分が亡くなるなんて思ってもいなかったんだと思います。

父にとってのこの5日間は地獄だったかもしれません。
私は、半分開いた目を閉じさせて挙げたかったので、父のまぶたをそっと下へと下げました。

すっと、まぶたはすんなり閉じました。

お父さん、今まで有り難うね。辛く、苦しく、恐怖の時間やったね。

お疲れやったね。

苦しみから解放されたね。
さぁ。綺麗にしてもらおうね。お家に帰ろ。これで良かったんよね。

寂しいね。でも、苦しむ姿はもう見たくなかったから。
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