ビター チョコレート
始まりは私から
「ねぇ知ってる?…バレンタインの由来」
彼の胸に頭をすり付けながら、私は呟いた。
「何?」
彼は私の髪に指を絡ませながら、そう聞き返した。
私は彼の指が好きだ。
男の人にしては細く長い指。
その指が、優しく唇に触れる。
そして頬を撫で……
彼の唇が私の唇を奪う。
ゆったりと流れるような、その行為に私はクラクラする。
まるで……麻薬。