君に.....






「わかるって何を?」


「…え?」


「結局、自分のことをわかってくれるのは自分しかないんじゃないの?

 例えば家族だって、自分の全てをわかってるわけじゃないと思うんだよね。

 だから、古澤が美波のことわかってないのは当たり前じゃん。あたしだって、美波が何考えてんのか、さっぱりわからないときあるし。」



藤Tの話には、なぜか納得できる自分がいた。

たしかに、わからないなんて当たり前だ。
自分じゃないし。

わからない中で、どれだけわかるかが重要なんだよ、と藤Tは言った。



「あと、美波、ただの馬鹿だから!古澤が思うほど完璧な人間じゃないから、そんなに構えなくて大丈夫だよ」












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