私の風
案外簡単に
二人は再会する。



次の日。



「おはよー!」



あいつだ。

テンション
高過ぎだろ。

まだ朝の
5時半だぞ。


「早起きしちゃった。」



昨日とは
別の場所なのに、
迷わず
ここに来たのか。




…少しの疑問は
風に流され消えた。




準備体操を終え、
二人で海に
繰り出す。

…と言っても
こいつは今、

サーフィンして
ここに
来たのだろうから、
二度目の
体操になる。





…見逃したな。





サーフィンしてくる
姿は見なかった。




昨日の事を
忘れたわけではない。


あの
サーフィン。





一目見た時から
目が
放せなかった。



見逃すとは…
悔しい。




まぁ。
…でもいい。



これから
見れる。



そう焦る事は
ないんだ。



自分に言い聞かす。




海に入る。




最高の気分。

心が
落ち着いていく。




「弥月ー!もっと沖の方まで行こうよ!!」

あいつ!

また呼び捨てかよ!




内心むっとしつつ、
沖に向かう。




「ねー。弥月って何歳?」



これまた唐突。




「16だ。」













な、なんだって?!
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