私の風
ちっ。


はっきり言って、
俺のサーフィン
なんか
どうでもいい。



あいつの
サーフィンが
見たい。


今の一瞬。


2回目の彼女の
サーフィン。



素晴らしかった。



俺の目は
狂っちゃ
いなかった。


まるで
重力を感じない。


けれど、
自分でその凄さを
分かっていない
みたいだ。


畜生。


今日
陸に上がったら、
お前の凄さを
教えてやる!





…はっきり言って





羨ましい。



けれど今、
俺のサーフィンを
見たいと言う。


がっかり
するがいい。




それなりに
サーフィン出来てる
つもりだったが、
次元が違う。








しばらくして、
あいつとの距離も
かなり離れた。





このくらいで
いいだろ。





ボードに
ひょいと飛び乗り、
波に乗る。



海が俺を
誘導するように、
激しく
波を立てる。














…様子がおかしい。














なんだか、
波が少し違う。






風…?






風の吹く先に…






あいつが
いた。
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