私の風
「な?!なんだって?!」
「え?!何よ?!」


同時に叫んだ。


「なんで私がにぶいのよ!!
にぶいのは弥月じゃない!!
あんた自分がどんだけサーフィン上手いか分かってないの?!」

「何だと?!
勝手な事言いやがって。
お前こそ自分のサーフィン見た事あんのかよ!!
サーフィン初めて二年だぁ?
ふざけんな!」


な、
なによ…。


なんで
私が怒られなきゃ
いけないの?!


弥月に怒鳴られた。



またさっきとは
別の涙が
浮かぶ。



私の
この悲しさ、
弥月は全然
分かってない。

絶対に弥月が
間違ってる。



弥月が
にぶすぎるから
悪いんだっっ!!



私のサーフィン?


見れるわけ
ないじゃない!


特大の鏡でも
持ちながら
サーフィンしろって
言うの?!


しかも自分を
見ながら
サーフィンって…。

おかしいじゃない!


…でも、

昨日はあんなに
クールだった
弥月が、

あんなに
感情をむき出しに
するなんて…。




ちょっと
動揺する。




でも、

弥月の
サーフィンは
普通じゃ
ないんだよ!


本当に
凄いんだよ!



見て欲しい。


弥月自身に
弥月の
サーフィンを
見せてあげたい。





さっき自分が
全否定した案を

弥月に
やらせたくなる。








「特大の鏡が必要だな…。」
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