私の風
わけもわからず
立ち尽くす
俺たちに

「ねぇ。こっちに座りなよ。」

沙鵺の友達が
声をかける。


逆らうことも
できずに

「あ。じゃあ…。」

敏が返事をし、

大人しく
命令に従う。


三人ずつ
向かい合って
座る。

「はじめまして。沙鵺の友達です。」

明るく話し始める。

「と、その前に。さっきのは演技だからね。」

「え…?それはどういうことですか?」


素直な敏は、
完全にびびって、
敬語になってる。


「あー!そっか。さっきのね。ごめんなさい。
私たちよくあんな感じの演技して遊んでるんです。」


沙鵺が
何を言ってるのか
ようやく理解したのか、

唐突に謝る。


「いや、別にいいよ。それより、何で俺たちをこの席に呼んだの?」


正が冷静に
受け答えする。


「今日の朝、うちの沙鵺がおたくのサーファーに、
お世話になったみたいだから。話でもしたいなって思って。」


美奈と呼ばれる
その子の目が
俺を捕らえた。







そうか。
俺か。





はっとする。


今まで人事のように
周りを見ていたが…。


なんとなく
理解してきた。


沙鵺も
同じ理由で
マックにきたんだな。




沙鵺に視線を
向ける。






そういうことです…。






目で訴えてきた。




「はぁ。」




一つ大きく
ため息をついた。
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