私の風
「先に行くぞ。」
「えー!兄貴待ってよー。」
自分で行くと
言っておきながら
かなり準備が
遅い。
イライラしながら
上から辰巳を
見下ろす。
「別に朝なんて誰もいないし、
混まないんだからゆっくりでいいじゃん。」
「あ。そういや言ってなかったけど、知り合いがいると思うから。」
「何だって?!」
「つまり人を待たせてるって事。早くしろよ。」
声を荒げる。
「わ、わかった。これでも急いでるよ!」
日が昇り始めて
だいぶたって
しまっていた。
逆光で
よく見えないが、
あのシルエットは…
「弥月ー!!」
やっぱりな。
こっちに向かって
思い切り手を
振っている。
「遅くなった。」
「いいよー!」
にっこり
微笑む。
「おい…兄貴。」
「ん。」
「知り合いって…女…?」
「ああ。」
「ってか…。」
そこで言葉を
きってしまった。
何だ?
あまり気にもせず
沙鵺に近づいていく。
「おはよ!」
「ああ。昨日言った弟。辰巳。」
「辰巳君って言うんだ。よろしくー。」
「あ。よ、よろしく…。」
辰巳はさすがに
動揺しているらしい。
まぁ、
俺が言わなかったのが
悪いんだけどな。
「…もしかして、弥月。今日私がいるの言わなかった?」
沙鵺が
不可解そうな顔で
俺の顔を
覗きこんでくる。
「言ったよ。さっき。」
「さっき?!酷っ!」
それにしても、
今日の海は
とても静かだ。
あまりに静かで
サーフィン向きの
波は期待
出来そうも無い。
「…あのさ。君は名前なんて言うの?」
辰巳が
不意に沙鵺に
声をかけた。
「…私?…沙鵺…。」
ん?
少し間を空けて
沙鵺が
返事をする。
何だ?
沙鵺の表情が
一瞬曇った。
気のせいじゃ
ないはず…。
…沙鵺?
「えー!兄貴待ってよー。」
自分で行くと
言っておきながら
かなり準備が
遅い。
イライラしながら
上から辰巳を
見下ろす。
「別に朝なんて誰もいないし、
混まないんだからゆっくりでいいじゃん。」
「あ。そういや言ってなかったけど、知り合いがいると思うから。」
「何だって?!」
「つまり人を待たせてるって事。早くしろよ。」
声を荒げる。
「わ、わかった。これでも急いでるよ!」
日が昇り始めて
だいぶたって
しまっていた。
逆光で
よく見えないが、
あのシルエットは…
「弥月ー!!」
やっぱりな。
こっちに向かって
思い切り手を
振っている。
「遅くなった。」
「いいよー!」
にっこり
微笑む。
「おい…兄貴。」
「ん。」
「知り合いって…女…?」
「ああ。」
「ってか…。」
そこで言葉を
きってしまった。
何だ?
あまり気にもせず
沙鵺に近づいていく。
「おはよ!」
「ああ。昨日言った弟。辰巳。」
「辰巳君って言うんだ。よろしくー。」
「あ。よ、よろしく…。」
辰巳はさすがに
動揺しているらしい。
まぁ、
俺が言わなかったのが
悪いんだけどな。
「…もしかして、弥月。今日私がいるの言わなかった?」
沙鵺が
不可解そうな顔で
俺の顔を
覗きこんでくる。
「言ったよ。さっき。」
「さっき?!酷っ!」
それにしても、
今日の海は
とても静かだ。
あまりに静かで
サーフィン向きの
波は期待
出来そうも無い。
「…あのさ。君は名前なんて言うの?」
辰巳が
不意に沙鵺に
声をかけた。
「…私?…沙鵺…。」
ん?
少し間を空けて
沙鵺が
返事をする。
何だ?
沙鵺の表情が
一瞬曇った。
気のせいじゃ
ないはず…。
…沙鵺?