LoverS -ラヴァーズ-


『今時の配達員は金髪にピアス、露出度が高い服が許されるのか?』

私を見ながら呟いた

元気のない沈んだ顔を表すように男の声は静かに低い。


『知らない
私、配達員じゃないし。』

『なんだ、お前。』

さすが、大人。
見下したように言うのはみんな一緒ね。

『さ、お邪魔しまーす♪』

男の手をドアから払い
無理やり入った

後ろから慌てて追い出そうとする男の声なんて気にしない。
する訳ない。

リビングは書類で散らかり
キッチンはカップ麺の容器で溢れ

完全に汚い。

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