LoverS -ラヴァーズ-
リビングを出て寝室に向かう。
純の眠る部屋に。
ドアを静かに開けると純は規則正しい寝息をたてて眠っていた。
ベッドの縁に座り頭を撫でて
耳に私の口を近づけて囁く。
『人間みんな貪欲よ
性欲も物欲も全てね
男は女を抱きたい
女は男に抱かれたい
それで普通なんだから。
純も素直に私を抱けばいいのに。
本当は貪欲な癖に。
ベッドだけの愛を囁けばいいの。
不確実な言葉だけの心無い愛を交わせばいいの。
そしたら全て終わるから』
多忙のせいで睡眠時間がないか
少し純の肌は荒れていた。
その頬にキスを一つ残して部屋から出た。