LoverS -ラヴァーズ-
『早坂純』
ダーツの矢を真っ直ぐに投げながら
男に背を向けて言った
しばらく返事がなかった
やっぱり驚いたのね。
そう思った私の体に
男らしい腕が絡み
甘い香りが漂った
『大丈夫か?』
耳に口を近づけ
静かな声で
男は囁いた
『大丈夫じゃないって言ったら?』
『そう言うならサキを縄で縛ってドコにも行けないようにしてやるよ』
出来るものなら
縄で縛られていたい
何も考えれないほど
何も望めないほど
きつくきつくね。。。
でも、無理な事は
私も男も分かってる
ただ、甘い声で甘い言葉を囁かれると
不可能さえ可能だと思ってしまう。