甘い茶色を下さい。
甘い茶色を下さい。
バレンタイン前日。下駄箱に1通の手紙。

ラブレターではないと言う事だけは分かっている。

毎年のように送られてくる見慣れた青い封筒。

内容だって読まなくてももう分かるのに、それでも読んでしまうのは……


「読まないで捨てるの勿体なーい」


とまた毎年誰かしらに必ず言われるからだったりする。

溜息を吐きながら中に入っていた手紙を読んでみる。


『明日、裏庭の枯れた桜の木の下で待っています Y』


ああ、やっぱりか。
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