甘い茶色を下さい。
そう言って、陽一郎の傍まで近寄りキスをする。

口にするのはかなりの勇気がいるから、今は頬へ。

いきなりの事に陽一郎は何が起こったのか分かっていないようで、

口をポカンと開けたままだった。


「……もしもーし? 陽一郎?」

「これは夢なのか? 美和子、もう1度俺を殴れ」


何かまたイラッとしたから、ご要望に応えてグーパンチリターンズ。

痛さと確認してから陽一郎は突然私に抱きついた。

外でこんな大胆だと思われる事をされて、正直ドキドキしている。

誰も見ていませんように。
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