甘い茶色を下さい。
「はっきりしなよ! 何が言いたいの?」


すると陽一郎は意を決したかのように真っ直ぐな目で私に言う。

その真っ直ぐな目にふざけた様子は微塵も感じられなかった。


「お前、何年もこんな風に呼び出されて何も感じないのかよ!?」


感じるって何を。言っている事の意味は分からない。

陽一郎は一体何を言いたいの?


「何を感じれば良いのかさっぱり」


あっさりそう答えてやったら、陽一郎は盛大な溜息を吐いてそして……


「ま、そうだな。うん」


そうだよね。
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