太陽はいつも雲の上で照り輝いている
母も退院し、何もなかったような日々が1年過ぎた……




23歳の夏


プルプルッ〜プルプルッ〜

『はい〜あっ!お母、どないしたん珍しく電話してきて

『ちょっと、話あるから、近い内に、家に帰って来てくれるか?お兄ちゃんはもどれないみたいやから、つとむだけでも』

『ほぉ?わかった、とりあえず明日帰るわ』

『頼みます』


電話を切った瞬間に、背中に氷を入れられた様な、背筋がゾッとする感触に襲われた……

翌日……

『ただいまーお腹減ったわー何かある?』

『お帰り、帰ってくるやいなや、ご飯か(笑)』

『やっぱ、おふくろの味でしょ〜なんか作ってな』

母が台所に立ち、料理をしてる間に、父の口から静かに言葉が流れでできた、ゆっくりと、ゆっくりと


『仕事、どうや』

『あぁ、色んな職種を極めてるわ(笑)』

僕は、料理を辞め、多様に手に職をつけるとばかりに、仕事を転々としていた


『慣れない仕事を、ようコロコロ変える勇気は褒めてやるが、将来大丈夫か』

『大丈夫やて、何でもやれるようになってたら万が一の時は役立つからな(笑)』

『まぁそれも考えようやな。父さんも、まだまだ頑張って仕事したいしな。つとむには負けてられないからな』

いつも言わないような台詞に気付かない僕ではなかった。


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