太陽はいつも雲の上で照り輝いている
幼稚園も慣れ親しみ、一年が過ぎそうな冬

何やら、父、母、兄2人がバタバタ、バタバタ、家の荷物をまとめだした
そう、引っ越し

父が馬力出して家を購入

『幼稚園変わるの…お友達とバイバイ?』

『バイバイだけど新しいおうちでもお友達できるよ』

『いやだなぁ〜新しいおうちは早く行きたいけど…僕はここの幼稚園に来る…』

『つとむ、友達は作るもんやなくて、お友達を大事にしたら、いっぱい出来るんや、だから、いっぱい、お友達を好きになって沢山、お友達と遊べ!新しいおうちで』

僕は、なんか父の言葉で、小さい頭で考えて、小さい心で、ワクワクとドキドキを覚えました。

『みなさんに、少し悲しいお知らせがあります。つとむちゃんが、みんなと一緒に大きい組さんになることができなくなっちゃいました。つとむちゃんは遠い新しい、おうちに行かれます』

何故か、僕は悲しさより、誇らしげに思えた。新しい、おうち、父が、格好よく見えて、ずっとニコニコしていた

そして……冬が深くなる前に、僕たち家族は新しい空間に走りだしました……

車の窓ガラスは白く曇り、五年の思い出を詰めた景色は、指で拭いた隙間から、少し寂しそうな顔をしていた気がします。

『眠い……寝ていい?』

『いいよ』

僕は、深い眠りの中に、思い出を夢に映して笑っていたような

そして
丸い大きな金木犀の木をまた、よじ登っていました。そのてっぺんから、空を見て、眩しく光る父、母を見てた気がします。


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