太陽はいつも雲の上で照り輝いている
『着替えやけど、何を持ってくるんや、母さん、紙に持って来るもの書いてくれるか』

『えっと〜〜……』

『何を悩んでるんや』

『何処に何があるか……わからない、字もわからない……』

『ん?どういう事?お母』

『文字の書き方がわからないのよ』

『えっ!平仮名が?』

『わからないのよ?』

『まさか、僕の名前は?』
『………?』

『記憶がなくなったんか!お母』

あわてて先生を呼んだ

看護婦さんが来て、その後に先生が来て、15分後に、CT検査

『お父、、、お母…僕の名前を……忘れてる』

『………』

一時間後に、先生からの呼び出し…また、何があったんだと心に棘が刺さった感覚でカンファレンスルームに入った


『どうぞ、結果からいいますと、大丈夫です。梗塞は3つほどあるものの、一時的な脳が回復するための記憶喪失です。安心してください、記憶は戻りますから』

『助かったぁ〜〜』

一瞬に心の棘は抜けて、痛くはなくなったが
体からは力も抜けてしまった


『お母、良かったなぁ、時期に思い出すて』

『思い出すんやろか……?つとむ……』

『ほれっ!今、僕の名前言うたやんか(笑)』

時折、思い出して、また忘れる。その繰り返しで、日々は一週間ほど続いた、その後は、しっかりと記憶をもどしていた

いつしか、僕は、日々、病に対して構える毎日になっていた
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