太陽はいつも雲の上で照り輝いている
時は、まだ渦の中
迷い込んだ病の巣は、その激しさを増していく……


『お母気分はどうや少しましか』

『昨日までの、しんどさが嘘みたいな気がするよ』
『よかったなぁお父は、ずっと大丈夫言うてたけどな(笑)』

『もう、堪忍してほしいな病気は』

『ホンマやな病人も疲れるけど、看病するほうも疲れるわ(笑)』


お母も約1ヶ月の入院が終わり、我が家に帰ってきた時の笑顔は、しばらく尽きなかった

少しずつ、まゆとの仲も埋まってきたかと思いきや……
まだまだ、嫁姑問題は
終わらない…まぁそのうちにと、間にいる事が自然体になっていた


時がほんの少し流れ、お父もお母も、めっきり、本当におじいちゃん、おばちゃんが似合う年齢になっている

少し、小さく見えた、お父…
言葉の一つ一つは、人生が変わるくらいの心に響く暖かいオーラのあるものの

やはり小さくなったお父

『お父最近、足腰悪くなったんやないか』

『足が動かないし痛いなぁ』

40年近く、ほとんど休みなく働いてきた、お父

お母の病院へも、かなり急な坂道を毎日歩いて通っていた、お父

『そら、お父の体も悲鳴あげるよな戦争で傷ついて、働き詰めやったしな』

『しかし、わしはまだまだ、がんばらなあかんのや』

『畑をやな(笑)』

お父と僕は、畑をしながら毎日、土と戯れ、美味しい野菜作りにはげんだ

今では、お父とお母のデート場所かもしれない
時々、まゆも畑の土に触れ、いつもの元気な笑顔を見せていた

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