太陽はいつも雲の上で照り輝いている

《十一章》大丈夫と思う心が、人を強くする

綺麗になったお父にしがみつき、お母はしきりに、ありがとうを重ね泣いていた
お父の葬儀もあり、心的なダメージを受けたお母の手術は取り消しになり、その後は様子を見る事になった
後にわかった事だが、お母の合流異常の病は、手術する必要が全くなかったと、担当医が変わり明らかになった……誤診であったのだ
お父は……気付いていたのかもしれない…お母を助ける為に…命を引き替えに、教えてくれたに違いない

兄も帰って来て、お父の姿を見ながら、お疲れ様と一言つぶやいていた

『お父お父の息子と胸はれるくらいに育ってなくてごめんな。お父、優しくできなくて、気付いてやれなかってごめんな』

疲れた、お母をまゆに託し、家にもどした

僕は、今も、お父の口から溢れでる暖かい言葉を待ってるかのように
その場所を1日離れなかった

お通夜も終わり、告別式

お父の人柄か、来ていただいた人数と電報を合わせたら、300人を越えていた

『お父、よかったなお父よかったなこんなに沢山の方に送ってもらって。僕は、本当に、お父の息子であることを誇りに思うよ、沢山の言葉の形見ありがとうな』


『お父さん本当にありがとうありがとうありがとう』

お母は、お父の顔を温かな両手で触れ、しばらくの間、離れず涙をながしていた