太陽はいつも雲の上で照り輝いている
やがて、お父も、その姿は天にあがり、目の前にあるのは、小さな箱に入った、遺骨として、高らかに景色の綺麗な、お墓にはいりました


『お母体調はどうやお母はホンマに幸せ者やなあんな、最高なお父と出会えて』

『お母さんにとって、お父さんが全てやったから』

『お母僕は、お父の一つ一つの言葉、大事にして、お父に近づくわ』


『風助がお父さんにはなれんよ』

『けど、今も、やっぱり後悔は残る……気付いてやれなかった事も、もっと優しくしてあげれた事も』

『風ちゃんお父さんは、そんな小さな事は何も思ってないよねっお母さん』
『風助が、そんな事、思っていたら、お父さん悲しむよ』


お父が逝ってから、お母の胆嚢の病気も、びっくりするくらいに、何もなかったかのように、自然に症状はなくなった

しかし、生き甲斐だった、お父が居ない今……急速にお母は老いてしまった

『お母そろそろ一年、気をあげて、運動したり、手を動かしたりしなあかんよ歩けなくなったりするから』

『わかってるよわかってる』

このやり取りも、一年、二年と続いた、三年目の夏


終わる事のない、抜け出せない渦は、静かにまわり始めた………

『お父ホンマにどないなってるんやろ助けて……』

いつしか、つぶやく弱気な自分がいた
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