太陽はいつも雲の上で照り輝いている
7月7日…七夕
まゆの携帯が響く


『まゆお母さんが倒れた病院は………』

『…なんや今度は』

『まゆすぐ行くぞ』

車を走らせてる道中に、まゆの兄から…

『友達とレストランで急に嘔吐して……すぐ救急で、原因はくも膜下出血らしい』

『お母さん』

『まゆ大丈夫、大丈夫やて…落ち着け』

運転しながら、まゆの震える声を宥めていた

くも膜下出血…僕は、これはヤバイとまゆに気付かれないように息をのんだ

『どうなん、かつくんあっ!お父さんどうなんですか』

『今、血圧下げての検査に行ってる』

『えっ緊急手術は』
『出血箇所を特定して血圧下げないと無理みたいや』
『意識は』

『意識はなくて、だけど嘔吐がとまらないみたいや』
『まゆ…大丈夫やからな、きっと、お父が助けてくれる…』

まゆを落ち着かせる為に、お父までを出して、僕自体もパニックになっていた

『特定できました、一応、明日の朝にオペします』

明日大丈夫なんだろうかそんなに待って……


翌朝、
手術は始まった

まゆの体は冷えていて
目は真っ赤に、唇はずっと噛み締めて、まゆのいつもの笑顔は一度もなかった
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