海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜

「え…いや」


いきなり『誰』なんて聞かれたもんだから、なんて答えればいいのか思い付かなかった。


「凜っ」


そのとき、聞き慣れた声がした。


その声がした方向には夏が仁王立ちしていて、あたしと一之瀬さんを交互に見ている。


「遼、もう凜と友達になったのか?」

「いや、あたしが話しかけて「いや違う」


あたしの言葉を遮って、一之瀬さんがピシャリと言い捨てた。


「誰が、こんな女」


そう言いながら指差す一之瀬さん。

…その指の先には、あたししか居ないわけで。


な…『こんな女』?!?

あたしの何かの線が切れそうになった。


< 39 / 102 >

この作品をシェア

pagetop