海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜
「え…いや」
いきなり『誰』なんて聞かれたもんだから、なんて答えればいいのか思い付かなかった。
「凜っ」
そのとき、聞き慣れた声がした。
その声がした方向には夏が仁王立ちしていて、あたしと一之瀬さんを交互に見ている。
「遼、もう凜と友達になったのか?」
「いや、あたしが話しかけて「いや違う」
あたしの言葉を遮って、一之瀬さんがピシャリと言い捨てた。
「誰が、こんな女」
そう言いながら指差す一之瀬さん。
…その指の先には、あたししか居ないわけで。
な…『こんな女』?!?
あたしの何かの線が切れそうになった。