海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜
「なーんだ、これが食べたかったんだ!!」
―――数分後、あたしは凜と近くの駄菓子屋に居た。
凜の手にはイチゴ味のアイスクリームが握られている。
そしてあたしの手にはソーダ味のアイス。
袋を開けてアイスを口に含む。
冷たくてスッキリと歯にしみるソーダの味がした。
「だから言いたくなかったんだ」
「いいじゃないですか別に!」
どうやら凜は、イチゴ味好きだということをあたしに知られたくなかったらしい。
なんて可愛い奴だ。
最初はこの男の可愛いところなんて、思い付きもしなかったけど。
なるほど、夏はこういうことが言いたかったんだな。
「おばちゃん、ご馳走さまでした」
「はいはい凜くん、また来てね。久しぶりに会えて嬉しかったよ〜」
凜はイチゴ味のアイスを食べ終えると、昔からの知り合いらしい駄菓子屋のおばさんに挨拶をしていた。