海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜
「…なんでそんな嬉しそうなんだよ」
ニヤニヤするあたしの視線に気付いたのか、怪訝そうにあたしを見る凜。
そ、そんな汚いもの見るような目で見なくてもいいじゃないか。
そう思ったけど言わないでおいた。
「いや、凜ってさ、あんまり人に心開かないタイプだって聞いたから…あ、悪い意味じゃなくてですね…」
「それ、夏が言ったか?それとも紅次郎か?」
「夏だよ。けど夏のこと怒らないでね」
「分かってるよ。俺のこと一番理解してるのは多分あいつらだし」
そう、確か4人は幼なじみ。
だから凜は、あの4人の前では違う顔をするんだ。
「…人と馴れ合うのは好きじゃないんだ」
凜は少し俯いてボソリと言葉を漏らした。
その言葉に勢いはなくて、ただ単語の塊が、地面に落ちただけだった。