海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜
「……だからお前も、無理して俺と仲良くしようとしなくてもいいよ」
そう言った凜の顔は、酷く寂しそうで。
あの拒絶するような目が、あたしを見据えていた。
「…い」
あたしは握った拳に力を入れる。
「嫌だ!!」
自分で思ったより大きな声が出てしまった。
あたしと凜しか居ないテニスコートに、かすかに声が反響した。
「嫌だからね。仲良くしたら駄目なんじゃないんでしょ?…だったら、あたしは凜と仲良くなりたい…っ」
見るからに驚いている凜。
目を丸く見開いてあたしを見ている。
「だから…だ、ん…?その…あれ、何だ?」
大事な場面だっていうのに、あたしは続きの言葉が見つからない。
違った、言いたいことは山ほどあるのに、言葉にできないんだ。
くそ、あたしの馬鹿。
語学力不足だ。