海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜
「あれー…そう言えば、凜は?またあのサボリですかい」
部活の準備をしている途中、ふと後ろの席がガランとしていることに気が付いた。
初めて会ったときも、『散歩』って言って授業サボってたから、あんまり気に止めてなかったけど。
「ああ。一之瀬くんなら、さっき早退しましたよ」
暦くんが思い出したように言った。
「そ、早退っ!?」
「ええ…昼ごろから具合が悪くなったみたいで」
凜、大丈夫なのかな?
今日の朝はまだ普通にしてたんだけど…。
『お前にはすぐ懐くよ』
凜が今朝言った言葉を思い出す。
あれ、正直、嬉しかったな。
正式に受け入れられた気がして。
…と言っても、まだよそよそしさは取れないんだろうけど。