海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜
「きさーらぎぃー」
「え」
少し離れたところで、あたしの名前を呼ぶ声がする。
声というより、もう怒鳴り声に近かったけど。
「如月は居るか!」
「はっ…なんでしょうかぁ!?」
ガラガラッと乱暴に音を立てて、教室に担任が入ってきた。
ズカズカとあたしの方へ歩み寄ると、そこで一言。
「…手伝え」
テニス部の顧問兼、このスポーツクラスの担任のコイツに、あたしは拒否権を発動できなかった。
これから部活なのに手伝いなんて…暦くんに怒られるかと心配になったけど、チラリとこっちを見て「…仕方ないでしょう」と言っていたので、あたしは心おきなく先生のお手伝いへ行くことにした。
…どっちにしろ、だるいことには変わりはないけどね。