海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜

カチカチ、と地味にホッチキスを止めていく。

不器用なあたしは、プリントの角は適当に揃えるだけ。


「如月、終わったか?」

「あ、まだです。あと半分以上ありますよ…」


しばらく経って職員室に入ってきた担任は、あたしが閉じ終わった書類を見て顔を歪めた。


「如月…おま……汚い閉じかた」

「うっ…」


確かに、綺麗とも丁寧とも言えないけど。

文句言うなら自分でやってくれ!!

心の中で嫌味を言った。


「お前なら丁寧そうだと思ったが…間違いだったようだな」

「すみませんでしたね…」
「んー…氷室にでも任せた方が良かったか」

「…俺がどうかしましたか?」


担任が「氷室」という名前を出した直後、その本人の声が聞こえた気がした。


「お、いいところに来たな氷室!!」

「暦くん!部活は?」


職員室に突然現れた暦くんは、ユニフォーム姿だった。

多分、部活の途中だったんだろう。

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