海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜

「届けろって…誰にですか?」

「決まってるだろ、一之瀬だよ、一之瀬」

「えっ、凛!?」


担任はいかにも「当たり前だ」というように凛の名前を口にした。

あたしはとりあえずプリントを受け取ると、その内容を確認する。


なるほど…早退したから、連絡のプリントか…。


「じゃ、頼んだぞ一之瀬係」

「は、一之瀬係!? 何ですかそれ」


数メートル先からこっちを振り返った担任。

めんどくさそうに眉間に皺を寄せて言った。


「授業サボった一之瀬を連れ戻して躾ける係」


な、何それ…!?

それじゃあまるで、犬と飼い主。

子供と保護者。

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