海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜
「り…凛?」
よく見ると、凛は寝息をたてていた。
なんだ、寝てるのか…。
少しだけ安心した自分がいた。
「でも…どうするかな、コイツ…」
何にしても、部屋の中へ戻すしかないと、あたしは凛を引きずるようにして体を起こす。
運動部とはいえ、男の子の体を持ち上げ(実際のところ、引きずっていたけど)るのは大変だった。
あたしが男で凛が女だったら、お姫様抱っこでもしてあげたものを。
「これでよし、と…」
凛の家の中にあったソファに凛を寝かせて(これも引きずってきた)、水で濡らせたタオルをおでこに置いておいた。
我ながら、なんてことしてるんだ。
まるで介護ヘルパーみたいだ。