海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜

「り…凛?」


よく見ると、凛は寝息をたてていた。

なんだ、寝てるのか…。

少しだけ安心した自分がいた。


「でも…どうするかな、コイツ…」


何にしても、部屋の中へ戻すしかないと、あたしは凛を引きずるようにして体を起こす。


運動部とはいえ、男の子の体を持ち上げ(実際のところ、引きずっていたけど)るのは大変だった。

あたしが男で凛が女だったら、お姫様抱っこでもしてあげたものを。



「これでよし、と…」


凛の家の中にあったソファに凛を寝かせて(これも引きずってきた)、水で濡らせたタオルをおでこに置いておいた。


我ながら、なんてことしてるんだ。

まるで介護ヘルパーみたいだ。

< 73 / 102 >

この作品をシェア

pagetop