海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜
「そう言うかな〜と思って、ほら、買ってきたのです!!」
「すげぇよ、お前。準備いいな」
凜は目を輝かせた。
餌を前にして、素直になる猫さんですか、君は。
「食べていいのかよ」
「うん。凜に買ってきたんだから」
「うまい」
凜は、幸せそうな顔でシャクリとアイスを噛み砕いた。
凜のこんな緩んだ顔、見られただけで、お見舞いに来た価値ってもんがある。
これって…結構、順調に懐いてきてんじゃないですか!?
この猫さんは。
「それじゃあたし、もうそろそろ帰るね。あんまり居たら凜も休めないし」
「帰るのかよ。今日は悪かったな」
アイスを慌てて食べ終え、ソファから立ち上がる凜。
「あ、駄目だよ、座ってて!!無茶しないで、明日は早く学校来てよ」
「…へいへい」
お母さんの小言のようになってしまった。
「分かりましたよ」と言う風に返事をする凜は、来た時より少し元気そうで安心。
「じゃあね」
あたしは忘れずに凜にプリントを渡すと、家の中から聞こえてくる凜の「おー」という返事を聞いてから、黒いドアを出た。