海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜
「今日の放課後の部活の時間に、合宿について説明しようと思っていたんですが…一之瀬くんは来ないんでしょうか」
「…俺が何だってよ」
今現在、ここに居ないはずの凛の声がした。
振り向くと、不機嫌そうな顔で立っている凛。
「あー凛! 今日は来れたんだね!」
「…ああ。風邪、治ったからな」
「凛、もう大丈夫なのか?」
「うん。心配するな夏」
数日学校を休んでいた人が、チヤホヤされる現象。
凛はうっとうしそうに、でもちょっとだけ恥ずかしそうにあたしや夏の問いかけに答えた。
「一之瀬くん、風邪が治って何よりです。来週の合宿は問題ありませんね?」
「あぁ、合宿か…行ける」
「それなら後は東くんだけですね」
「ん、そう言えば紅次郎はなんで今日来ないんだ?」
「彼は日直で早く登校すると言ってました」
しっかりしてるなぁ、紅次郎。
あたしなんて、日直当たっても忘れてばっかりなのに。