海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜
少年は言う
─そんなこんなで、数日後。
「やーっほーい!!」
「着いた───あああっ」
バスから真っ先に飛び降りたのは、あたしと夏。
その後から、凛、紅次郎と続いた。
「何度も言いますが、遊びに来たのではないですからね」
暦くんは列の一番後ろで、ブツブツと小言を言っている。
あたしはそれに聞き耳をたてず、大きく深呼吸をする。
「ふぅー…なんか海は見慣れてるから新鮮な気がしないけど…ここって、海もあるし山もあるんだなっ!」
「ええ…自然の中で過ごすのもなかなかいいものでしょう」
「そうだね、暦くん」
ドボンッ
「え!?」
ふいに背後で、水しぶきがあがる。
何事かと振り向いて海をのぞく。