彼女は殺人願望の塊で。(仮)
ギィッ…
屋上のドアを開ける。立ち入り禁止の札を無視して。

「瘡ー?いる?」
繰椰は、自分の視界にはまだ映っていない彼女に呼びかける。
繰椰が屋上に足を踏み入れて、十歩目。

トサッ

何処から現われたのか、女の子が繰椰の背中に抱きつく。

「なんだ、いるじゃん。返事してよね」

ふわり・とほのかに漂う女の子らしい甘い香りが繰椰の鼻をかすめる。
さらさらの腰まであるだろう、
黒のロングストレート。
そして、女子高生の模範的といえる制服の着こなし方。
そう、彼女が
「瘡。」
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