彼女は殺人願望の塊で。(仮)
「…」
「黙るなって…ちゃんと来ただろ?昼休みに」
「…」
「瘡?」
「…」
「もしかして…――っ!」
ピッ

繰椰の首に一筋の細い線が刻まれた。
線から垂れる赤い一筋…

「遅刻よ、繰椰。」
瘡が喋る。
「わたしは“昼休みに屋上で待ってる”と伝えたはずよ。なのにどうして、昼休みの最初から来ないの?教室で何をしてたというの。私は待ってたの、繰椰はまだ来ないのかな…どうしたのかな、私の知らない誰かに殺されてしまったのかしら、ってずっとあなたを想いながら…」
「…」
繰椰は、瘡の言葉をじっと聴く。
「なのに、あなたは今来た。私を待たせて何が楽しかったのかしら?さぞかしあなたは一人で、愉快に痛快に私の事を笑っていたのでしょうね。そして、ころあいを見計らって来たのでしょう?だから、この傷はその罪よ。しっかり自分のしたことがどれだけ、卑劣で醜悪なことか分かっているのかしら。悪趣味にも程があるわ…まして、自らの彼女に対して行うなんて…」
瘡の表現は、とても遠まわしで、
思い込みと私情が入り混じっていて、
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