パンドラの箱
僕の中から何かが流れ出す。
温かい血が..
…意識が遠退いていく。
遠退いていく意識の中で
僕が微かに見たものは
僕の臭いを嗅ぎ付け、
群がる人の形をした獣たちだった。
目を赤く光らせ、
人間を食す。
死んだはずの僕は何故か生きている。
人ではなく、
人の形をした獣として…
「お腹が空いた‥」
どうしてか
無性にお腹が空く。
人間を食べたくて仕方がない。
人間を食べては
食べられた人間がまた、
人間の形をした獣へと変わり
人間が減っていく。
…死んだ人間のリサイクル。