パンドラの箱


ライターを離すと
絶望の表情を浮かべていた。

ライターを当てていた肌は
ただれていたり、焦げている。



痛々しい痕。
しかし、
クラスメートは
そんなのお構い無しに次に入る。



「9番、24番、39番が
 美知子をまち針で刺す」


裁縫道具に入っている、
カラフルな針たち。
それを一本づつ、
ぷつん…、ぷつん…と刺していく。


「いたっ!」

刺した所から
ぷつ―‥真っ赤な血が流れ出す。


針だらけの手は
まち針の色で綺麗だ。
             
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