パンドラの箱
白い女
部活を終え、家へ帰る。
少し遠くに見える、
あたしの家には
電気が付いていなかった。
「また、仕事遅いんだ」
幼い頃に両親が離婚し、
母はあたしを養うために
毎日のように夜中に帰宅する。
いわゆる、母子家庭。
持っていた、
合鍵でドアを開けると
壁のスイッチを押し、家の電気を付けた。
キッチンへ行くと
机に夕飯とメモが置かれていた。
〈雅(みやび)へ。
また留守番よろしくね。
夕飯温めて食べてね。
お母さんより。〉