パンドラの箱
「いやっっ!!!!」
ここは7階。
こんな所から落ちたら即死だろう。
あたしは
必死にフェンスに掴まる。
ガチャッ――‥
「君!早まってはいけない」
さっきの事務員の人…
「助けて!」
「?」
おじさんから見れば
その言葉はおかしいよね。
だって
他人から見れば
あたしがあたしの意思で
そこに立っているんだもん。
他のものに引っ張られて
死にそうになっているなんて
誰も思わないだろう。
おじさんは一度戸惑ったが
あたしに近寄ってきた。