パンドラの箱




女が這うようにあたしに近付く。


「いやっいやっ来ないで」



それでも
女に止まる気配はない。
女があたしの目の前に来たとき、
あたしは意識を失った。











浩汰は屋根裏に住む、
何かに導かれ食われた。
そして
またあたしも。




これを読んでいる、
あなたの家の屋根裏にも
この女は潜んでいる。

誰かが来るのを
じっと待っているのだろう。



             
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