パンドラの箱



『僕は足』
『僕は腕』
『僕は手』



…何言ってるの?


男の子たちの手には
さっきまではなかった、
斧が握られていた。



「…なっ何する気っ」

『お姉ちゃんの体貰うね』



な…何言ってるの‥?
言ってる意味がわからなかった。
いや、
わかっているが
そうじゃないと思いたかった。



途端に体が鉛のように重くなり、
声も出なくなった。

灰色の景色に
斧だけがきらりと光る。



「~~~~~!」

             
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