パンドラの箱
斧が振り上げられ、
それと同時に血が飛び散り、
体がバラバラになる。
男の子たちは
一人一人、わたしの一部を持つと
暗闇へと消えた。
「返‥し、て……あたしの体」
声が出たときには
あたしは首から上だけになっていた。
残された顔は
声を失うことも
意識を失うこともなく、
ただ同じ景色を見る。
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「はぁはぁはぁ...
夢か…よかった‥」
そこには
いつもと変わらない景色があり、
わたしは泣いていた。
そしたら
家族に無性に会いたくなって
体を起こそうとした。
「………あれ?」
体が動かない。
体が痛い。
目だけを下に動かす。
「…きゃあ!!!」
わたしは
首から下がなかった。