パンドラの箱



斧が振り上げられ、
それと同時に血が飛び散り、
体がバラバラになる。

男の子たちは
一人一人、わたしの一部を持つと
暗闇へと消えた。





「返‥し、て……あたしの体」

声が出たときには
あたしは首から上だけになっていた。
残された顔は
声を失うことも
意識を失うこともなく、
ただ同じ景色を見る。




――
――――
――――――
――――――――
――――――――――…………



「はぁはぁはぁ...
 夢か…よかった‥」


そこには
いつもと変わらない景色があり、
わたしは泣いていた。


そしたら
家族に無性に会いたくなって
体を起こそうとした。



「………あれ?」




体が動かない。
体が痛い。

目だけを下に動かす。


「…きゃあ!!!」




わたしは
首から下がなかった。


             
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