パンドラの箱


「何か最近、
 この町通り魔事件多くない?
 今度は2年の佐川さんが
 ナイフでお腹刺されたらしいよ」

「えーまた?!うち怖い…」


大丈夫。
奏くんに手を出さなければ
消さないであげるよ。



「てかさ、てかさ。
 奏太に近付く人ばっかり
 襲われてるよな」

「えっそう?」

「そうだろ。
 奏太の幼なじみに後輩。
 それに今回は彼女…
 ごめん。俺怖いからお前と距離置くな」

「えっ」



ありがとう。
消す手間が省けたよ。

やがて
奏くんに誰も近付かなくなった。

             
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