【完】最後のバレンタインチョコ
駅に向かって走る途中沙耶に電話をかけた。


トゥルルルル……
トゥルルルル……



「隆二!?
どしたの?電話だなんて。
なんがあっだのが?」


久しぶりに聞く沙耶の津軽弁。

まともに話したのなんて別れ話以来で……懐かしくてなんだか泣けてきた。


「沙耶、急にゴメン。
俺、今から帰るから。
聞いて欲しい話しがあるんだ!
夜の11時頃そっちに着くから、駅で待ってて!」


俺の声は震えていた。

走って震えてたんじゃない。


泣いて……
泣いて震えてた。



「隆二、泣いでらのか?
……分かった。待ってるな」



「うん、ありがとう」

俺はそう言って電話を切った。


もう遅いかもしれない。


だけど、だけど……今帰るから……!


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