【完】最後のバレンタインチョコ
電車から降りて駅の階段を駆け上る。

階段を上がった所にある改札の向こうに沙耶の姿が見えた。

髪の毛ちょっと染めたのかな?
髪の毛の茶色に、頬のピンクのチークがとても可愛らしく見えた。



「沙耶!」



俺は人目もはばからず大きく沙耶に手を振った。

沙耶も俺に答えるように恥ずかしそうに手を振り返す。


高校の時と全く変わってない。


あの時と同じだ。


改札を駆け抜け、沙耶の側に駆け寄る。

気持ちがどうにも押さえきれなくて、俺の目からは涙が溢れた。



「どしたんだ?隆二?
何があっだのが?」


沙耶は俺の手をとり、心配そうに俺の顔を覗く。



< 8 / 10 >

この作品をシェア

pagetop