恋情

出来なかった。

「どうしたんだよ?」

「・・・」

黙る私を
再び抱きしめ
背中をさする

その手が
優しすぎたから
余計涙が
零れた

「とりあえず
家来るか・・・?」

家って・・・
悠太ん家じゃん・・・

「家って
いってもみんな
寝てるから
お茶も出せない
けど・・・
それでも
良いなら・・・」

私は
【行きます】の
代わりに
首を縦に動かす

「よし・・・」

私達は
ゆっくりゆっくり
歩いた

その間
ハルさんは
私の背中を
ずっと摩ってくれた
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