―sea―
出逢い
「美音ぉ!!おはょぉ!!」
「初音!久しぶりぃ!!!」

桜が咲き誇る4月。
私*刈谷美音*(かりやみおと)は、高校生になった。

中学の時はいつも学年ビリ。
友だちの*伊藤初音*(いとうはつね)と一緒に県内1のバカ高に晴れて入学した。

「クラス一緒かなぁ?」
「一緒だといいねぇ。。。」
クラスが一緒の事を祈りながら、クラスが発表されている中庭まで歩く。

この学校は、バカ高ではあるが、県内1でかい。

エレベーターなんて当たり前だし、食堂なんて、まるでレストランだ。

「あった!美音行こッ」
「走んなくていいぢゃぁん」

初音にうでを引っ張られながらダラダラと走る。

クラスが発表されている掲示板の前は、人でいっぱいだった。

(ぅわぁ。。。人ごみ嫌いなのに。。。)

初音は人ごみに怯む私をよそに、ドンドン前へ進んで行く。

ドン!!

「キャッ!」
人にぶつかられて転んでしまった。
だから嫌何だょ。。。(-"-;)
立ち上がろうと手を突くと、今度は手を踏まれた。

「痛ッ!!!!」
「?!」

踏まれた右手をさすりながら踏んだ奴をキッと睨みあげる。
「ごめん!大丈夫だった?」 「大丈夫ぢゃない!」
「まじでごめん。。。気づかなくて。。。」

そいつは、しょんぼりとして私の手を優しく握った。

「えっ?!////」
「もうクラス見た?一緒に行こうぜ」

「えっ!」

そいつは私の手を握ったまま、グイグイと人ごみをかき分けていく。

やっと一番前まで来ると、初音がいた。

「美音!!もぉ-なんで居なく何の?探したぢゃん」

「初音が置いてったんぢゃん!」

「君、美音っていうの?」

「えっ。ぅん」
「じゃあ俺と同じクラスだ。」

そいつは優しく笑って掲示板を指差した。

でも、こいつの名前が分からないから、なんとも言えない。

「誰?美音のコレ?(ニヤ」

初音はニヤニヤしながら、親指を立てて見せた。
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