Red Dragon




あれからとぼとぼと歩き、20分遅刻でようやく学校に着いた。








何の冗談!?
笑えないよ!!


今、私の隣の席には転校生が座っている。
金髪に黒い瞳。
どうしても私に辛い過去を思い出させる。


「長門……夕貴…」

彼の名前は長門 夕貴(ながと ゆうき)君

横顔を見ながら名前を呟く。


「…おい」

確か、貴羅の名字は「西藤」。
貴羅に兄弟がいるなんて聞いたことないし。

でも他人の空似にしては出来すぎている。


「…おい!」


声まで一緒…………


「おい!!」


「…………………」

「聞こえねぇのかよ!」

「!?」

いつの間にか長門夕貴がこっちを向いて睨んでいる。

「なっ何!?」

じっと私の目を見てそらさない。


「昼休み…屋上まで来い」

えっ?

「聞きたいことがある」

それだけ言って机に顔を伏せてしまった。






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