Red Dragon



ギギィ…と錆びたような音をたて屋上への鉄の扉を開く。

すると、扉の正面のフェンスにもたれ掛かって長門夕貴がこっちを睨んでいた。

そんな姿も貴羅にそっくりだ。


「なんの「龍姫…」!?」

なんの用?って言おうとした言葉を遮った一言に言葉が詰まる。



「お前が『紅龍華』の総長・龍姫だな?」



この人は私を知ってる。


どこまで知っているか分からないけど



隠してもめんどくさそう………。


後ろ手に重たい扉を閉める。またギギィっと錆びた音がした。



「………せっかく…言葉遣いも頑張って直したのに」

前髪をかきあげため息をつく。


人の記憶から既に消えかけていた過去を今更話すのも辛いが、長門夕貴と貴羅の関係が気になる。




「君と貴羅はどんな関係?」









「西藤貴羅は俺の……兄貴だ」





真っ直ぐに私の目を見て話す長門夕貴。

そっか………


「そっくりだもんね……」

長門夕貴に貴羅を重ねてしまって悲しくなる。






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